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――貝谷さんはいろいろな国に行かれていると思います。ミステリーは欧米での歴史が長いですが、それらの国でもミステリーとお酒の親和性は高いと感じられましたか。

貝谷
お酒をちょっと飲みながら読書する感じは確かにありますね。そんなに強いお酒ではないですが。
 今回取り上げている作品のなかにも、主人公が本とワインを持ってベッドに行って、飲みながら読むようなシーンは結構ありますよ。

――欧米の人はお酒が強い人が多いですしね。

貝谷
酔わない程度にたしなんでいるんでしょうね。日本人はたぶん飲みすぎるんですよ。

――はい、仰る通りで(笑)。

貝谷
ちびちび飲むという言葉がありますが、そういう飲み方をしながら本を読むイメージですね。
 私自身も、時々ですが、たとえばすごくワインが好きな主人公がいると、ちょっとだけワインを飲みながら読むなど、お酒読書もします。楽しいですよ。

――負けないように頑張りすぎるぐらいの主人公が多かったですよね。それはそれで「強い女性」を楽しく読んでいたのですが、最近は職種が増えていませんか。

貝谷
そうなんです。主人公が就いている職種が増えて楽しくなりましたね。かつては刑事、探偵、弁護士、あとは巻き込まれ型の主婦などが多かったですが、今は料理人から、カフェの主人、ゴルファーまでバラエティがとにかく豊かになっています。実社会を映しているところもあるのでしょうね。

――彼女たちが飲むお酒にも変化がありますか?

貝谷
ありますね。初期の作品はこんなに強いお酒をこんなにたくさん飲むの?
 ということがよくありました。ジョニ黒を一本空けてしまうとか。今はワインの登場回数が増えてます。
 今回の本でも、たとえばワインが出てくる作品を読み比べてもらうと、やけ酒のためや、リラックスのためなど、彼女たちのいろいろな飲み方を楽しめると思います。
 そしてこの本はお酒だけではなく、コーヒーやミネラルウォーターなどノンアルコールの飲み物も取り上げています。ノンアルでも、一杯として、主人公の気持ちに寄り添ったり、謎■を解きほぐす一杯になったりしていますので、そういう面にも注目してほしいです。
 さらにもうひとつ読んでほしいポイントとして、男性主人公の奥さんや、主人公の相棒の女性など、作品の主人公ではない人も取り上げています。「女主人公」ではなくても、その作品にとても重要な役割を持っていることを気づいてほしかったんです。

――彼女たちが飲むお酒にも変化がありますか?

貝谷
ありますね。初期の作品はこんなに強いお酒をこんなにたくさん飲むの?
 ということがよくありました。ジョニ黒を一本空けてしまうとか。今はワインの登場回数が増えてます。
 今回の本でも、たとえばワインが出てくる作品を読み比べてもらうと、やけ酒のためや、リラックスのためなど、彼女たちのいろいろな飲み方を楽しめると思います。
 そしてこの本はお酒だけではなく、コーヒーやミネラルウォーターなどノンアルコールの飲み物も取り上げています。ノンアルでも、一杯として、主人公の気持ちに寄り添ったり、謎■を解きほぐす一杯になったりしていますので、そういう面にも注目してほしいです。
 さらにもうひとつ読んでほしいポイントとして、男性主人公の奥さんや、主人公の相棒の女性など、作品の主人公ではない人も取り上げています。「女主人公」ではなくても、その作品にとても重要な役割を持っていることを気づいてほしかったんです。

――最後に、この本を手に取ってくださる読者に、どう楽しんでほしいですか?

貝谷
まずこの本を読んでいただくことで、取り上げたシリーズや作品を読むきっかけになったら嬉しいです。そして取り上げたお酒も、買ってきたり作ってみたりして、ぜひ楽しんでください。その両方を楽しんでいただける本だと思います。
 また、どこから読み始めてもいい本ですので、お酒がきっかけでも、主人公の職業がきっかけでも、お好きなところから自由に読んでほしいですね。必ずお気に入りの一作に出合えると思います。

「ジャーロ」69号(2019年秋号)より。

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